PS2時代のFF雑感

PS時代のFF雑感はこちら。
同じフォーマットでつらつら書いていきたいと思います。
リクエストくださったtuki様、有り難うございます。

FF10

FF10についての語りはこちら。
FF10というのはそれまでの集大成的作品と思います。FF12をプレイして、その思いをより強くしました。
ゲームという枠ではなく、むしろ物語としての総合エンターテイメント。

グラフィック

実は私、初任給でPS2とFF10を買いました。
この一言で全てを言い表しているのではないでしょうか……。買えるまでただぼーっとPVを見ているだけで、切なかったんだよううう。

さて、表情の表現に度肝を抜かれました。視線の揺らぎも素晴らしい。そりゃ、後の作品に比べれば多少かたさはあるんですけどね。
ワールドマップを廃したグラフィックが個人的にはとても嬉しかったです。旅をしているということをより感じさせてくれるから。
また、動きが凄いのですよ。ティーダが土を踏みしめて走っていく、その体重の重みを感じる!!
ただ、ところどころ、イベントシーンなどで振り向いたりするあの「くるん」という人形をただまわすだけのような動きはどーしたもんかなーと思ったり、オープニングシーンでも見られますが恐らく計算能力の限界のためか、ぶるぶると震える像もあったりはしたのも確か。
それでも美しかった……! デザインの美しさもあいまって、素晴らしかった。20年以上前からいわゆるビデオゲームを知っている人間からすると感涙物

ストーリー

FFにしては、ものすごくまとまりのよい物語だと思うんですが、いかがでしょうか(禁句? 禁句?!)。
私の知るFFの中で、物語の一貫性があった、あるいは最後まで息切れしなかった唯一の作品(笑)。そのため凄く安心して遊べたFFです。
斬新なストーリーとは言わないけれど、素直に感情移入できて、素直に主人公たちのゆくさきを祈ってしまう。シナリオをかなりよく練り込んでありました。
テーマも父子愛と、非常に分かりやすかったし。(で、キャラが好感触だから、それがイヤミじゃないんだよねぇ)
あのエンディングが秀逸でした。余地を残しておく話、大好きなもので。
もっとも、オフの友人の中には「最後の最後で爆笑した、お前は幽霊か!」というツッコミを入れている人もいましたけどね:s
ただし、自由度という点では最初はちょっとな……と思ったのも確か。アルベド船あたりまでは「一本道」という気持ちがありました。ドラマのつかみなどはいいんですけど、そのシナリオの強さが逆に一本道を意識させてしまったのかもしれません。

キャラクター

声が入るようになったことが、キャラクターの造型を大分助けているような感じですよね。
スコールやクラウドの豹変!のようなものがなくて頭がハテナになることなく、一貫性があり、自然に受け入れられました。ワッカの心情の変化なども、演技が良かったためもあるかもしれませんが全くわざとらしくなかったですし。

ユウナがちょっとよい子ちゃん過ぎるのが残念ですが、他のキャラクターはデフォルメされてはいるけれど、愛すべき欠点や葛藤を持つキャラクターが多い。そのせいもあると思います。

私は基本的に「完全無欠」というのが嫌いで、人間的な弱みを持つキャラが好きです。ほら、ディズニーキャラだとドナルドが好き、とか、トムとジェリーだったら圧倒的にトムのほうが好き、とか、そういうひねくれ者がいるじゃないですか。私はあのタイプ。

閑話休題。
特に主人公のティーダは、見かけだけだったら「なんだこのキャラ」で終わっていましたが、動き、話すと、「な、ななななんて良い子なんだ!」と180度評価を転換。その見かけとも自然に馴染んでいきました。
もしFFキャラの中で誰を弟にしたいですか?という質問があったら一発でティーダを選びますね。
くそーワッカ、羨ましいぞ(そういう問題か)!!

親子関係という点から見ると、ティーダはエディプスコンプレックスのカタマリ。
「母を奪った父を憎む」って、典型ストーリーじゃないですか。
私自身はアンチフロイディアンなので(よーするにフロイト嫌い)、実生活ではこの手のコンプレックスを簡単に「はいそうですか」と受け入れられません。でも、キャラクターの造型にエディプスコンプレックスを使うのはとても簡単だし分かりやすい手法なんだなあと思いました。
精神分析は物語としては面白い。
でもあれはあくまでも擬似科学じゃないかと、懐疑主義者としては思います。

FF初のボイス入りということでその影響について……と書いてみたいのですが、インターナショナル版で遊んだのであまり語ることがありません(笑)。私にとっては、3Dアニメの英語の吹き替えって見たのも初めてでした。
個人的な印象では、アーロン、ユウナは日本語版よりもよいと思います。アーロンは「This is your story.」というあの声がほんと渋くてねぇ~、たまんないスよ。
ま、ボイス入っていて良かったんではないですか? 真実が知らされるところなどの切迫感は文字だけでは表現仕切れなかったかもしれないし。もともとは、声入り反対派だったんですけど、FF10のせいで、賛成派にまわった裏切り者です。

世界観

私がFF10を評価している最大の理由は、なんといっても思い切って西洋風ファンタジーから脱したことにあります。よくやった!
繰り返すスピラという考え方は、まさに輪廻転生という(ショウペンハウエルが言うところの東洋的発露であるパリンゲネジー的)文化背景が透けて見えますし。そーなると、FF10というのはもしかしたら東洋(集団としての個)から西洋(自我としての個)への脱却という意味もあるのかもね…。
エボンを崇拝するというのはまさに菅原道真の信仰に見られるような、御霊信仰のアナロジーですし(つまり、荒れ狂う神をおさめるために祀る)。
紅と曲線を強調したエキゾチックな建物のグラフィック的な点でもとても統一感があって、「どこにも見たことがない、でもどこか懐かしい世界」が画面の中にありました。
これぞ、日本人が作った甲斐のあるファンタジー。作品を作る際、自分の得意分野で勝負するのが一番だって「キャラクター小説の書き方」の人が言ってました(と思います)。
西洋風ファンタジーが悪いという意味ではありませんよ。それはそれでもよし。実際、日本の寺も大好きだし、ヨーロッパの石の文化も大好きですしね。
ただ、多様性があることが、ゲーム文化も深いものになると思うのです。

システム

ATBが必ずしも最高のもの、とは思っていない自分にとっては、さっとバトルが終わるにも関わらず、それなりの戦略性を必要とするCTBは大好きです。ぐっじょーぶ!
汎用性(誰でもほぼ同じアビリティを持てる)と特殊性(戦いの得意不得意はある)のバランスが自分にはとてもよく合いました。
ATBではないので、時間に急かされることもないのに、ボス戦にはものすごい緊張感。
んで、何度もゲームオーバーしたり(笑)。確かユウナレスカ戦とか、二回目プレイで四時間くらい戦って負けた記憶があるよ……!!
あと、ダメージ五桁は気持ち良かったですねぇ~。インターナショナル版なので、最強武器取るの、苦労したけど。ワッカのは一度も取ったことないけど(ずがーん)。

ただし、ある程度敵の弱点を見いだして戦術が確立されてしまうとついつい同じ手を使ってしまいます。後半では、雑魚キャラ相手だと、作業的になることもありました。
たとえば、モルボル対策。
ユウナはいつも後発メンバーにしておいて、モルボルが出たら先制をつけたキャラと彼女を交換しヴァルファーレを召喚してひたすら攻撃する、と。そうすると攻撃一度も食らわずにモルボル退治出来るんですよね。もっとこちらが工夫してやっつけられればいいんですけど……。
(そう言った意味でも、「キャラのレベルが上がるほどモンスターのレベルも上がる」というFF8はとても面白かったなぁ)

音楽

浜渦正志さんと出会わせてくれた奇跡の音楽。有り難う有り難う!
構成力(浜渦さん仲野さん)とメロディライン(植松さん)の勝負だったFF10。
個人的には前者の勝利だったかなー。
テーマのメロディはとても美しく、「ザナルカンドにて」「素敵だね」は名曲でした。が、やっぱりメロディが立っている音楽というのは、飽きも来てしまうもので……。「ユウナの決意」はどうにも好きになれない曲でした。
(と、ちょっと厳しめには書いていますが、FF3を聞いて、なぜ植松さんが素晴らしいのか分かりました……。むしろ和音があまり使えない時期のほうが植松さんの音楽は似合っていたかもしれない。)

浜渦さんは……とにかく、いつの間にか好きになっていた!という楽曲が揃っていました。あの編曲っぷり!「襲撃」や「いつか終わる夢」、そしてピアノ炸裂なオケの「決戦」!!大好き!
浜渦さんの音楽ってツンデレ音楽だと思います。つまり、理論が先に立っているように見えるのに、ちらりとその合間から、隠しきれない音楽への愛情あるいは情熱が見えるのです。そういうのがたまらんのです。癒し系なんかじゃないぞ!
仲野さんのたたみかけるような和音の固まりも凄く良かった。すきだー。
FF10の音楽は植松さんのメロディ、および凄く気合いのはいった仲野さんと浜渦さんの音楽があって、絶品でした。
そのうちレビュウします。

FF10-2

グラフィック

イベントシーンのリアルタイムレンダリングのキャラクターたちは10よりもきれいになっていましたね!
ただ、シューインの三段貼り付けテクスチャとか、手指あたりとか、小さなところで「あれ?」と思っちゃったのも事実……。全体的にきれいで凝ってるんですけど。

ストーリー

「愛!」の一言で片づけられてしまっ………。
…………。
いや、いいんですよ、ユウナちゃんが人間になれたから。それが嬉しかった。
10と同じく暗い話ではなくて、「キャピッ」という方向に行ったのは英断だと思います。キャピ!に親父的視点がところどころ見えるのがまた……笑えた!
ただ、ユウナの心境の変化はとてもいいのですけど(なのにどうしてああいう結論(ティーダエンディング)になるの?!)、もう少し芯となる部分が太いほうがよかったなあ……。
エンディングの選択肢がせめてもの「幅」でしょうか。

ストーリーとしてはあまり評判のよろしくないラストミッションのほうが個人的には評価しています。
10-2のユリパたちって無理している感がどうしてもぬぐえなかったんですが、ラストミッションの喧嘩って彼女たちの成長を表していて、さらには「心の裡をさらけ出す」ことが出来ているわけでしょう?
わざとらしくないユウナにやっと出会えました。

キャラクター

ユウナ様が人間になった! 人間になった!
欠点のある人間味のあるキャラのほうが好き! アニキいいよ(笑)!
ただインターナショナル版の「シメテヤル!」などの日本語はどーにかならなかったもんですかね……。
ただし、ユリパの三人のキャピキャピぶりになんとなく無理を感じたのは私だけですか……?

世界観

スピラの世界を受け継いでいるわけですが大分現代的になったかなあ……まあ、あまり語ることがないですね(汗)。

システム

苦手なジョブシステム……のはずなんですが、戦闘中に変えられるのであまり苦労しなかったかな。また背後からだと攻撃力アップ!は良いアイデア。

でも、なんといってもインターナショナル版の「クリーチャークリエイト」、これが異常に面白いです。
最初からこれ組み込んでいたら評判がぐっと上がったと思うんですけどねえ。モンスター捕まえて育てて闘う!モンスターはオートバトルだけど、微妙な調整がアクセサリなどで可能だし。
あー、そーいえばまだティーダとかアーロンとかシーモアとか捕まえてないよ……(TT)。
ラストミッションのシステムはなんかイライラした……。もっと自由に走らせてよ!と(笑)。べたつく床のような走り方もなんとなく……でした。

音楽

ユウナとレンの声違いすぎでしょう(笑)!
それはともかくとして、最初のPV(?)は凄かった! ユウナ様踊ってるよ! リアルだよ!と。
バトル音楽がちょっと好きじゃなかったかな……ザナルカンドなどははまうずさーん戻ってきてぇ(TT)とは思いましたが、酷評されるほど悪くなかったと、思う、よ……?
特に「永遠」とか「ビサイド」とか、良い曲でしたよね。
そうそう、シューイン戦の最初の音楽ですっけ? あれは爆笑しました。(ショパンの革命っぽいの)大げさすぎるだろう、と……すんませんすんませんすんません。

DCFF7

グラフィック

多分きれい……でも少女漫画みたいでした……。どーしてもヴィンセントの頭が昆布にしか見えない……。
ああ、ルクさんきれいだったなぁ……。
FF7ファンだったら、「あそこがこういう空間に!」という感動があったのかもしれませんね……。
きれいだったかもしれないけど、なにせ史上最悪の3D酔いでね……。
そういえばヴィンセントの走り方がすごくおっさんくさくて、「やっぱりこの人中年なのね」とか思いました。

ストーリー

いろいろと破綻しているようですが、悲恋に弱い……(涙)ということで、このシナリオ大好きでした。
「キミたちはっきりしろよ!」というのが好きで好きで(笑)。そのうだうだ加減が合わない人は合わないんでしょうけど。
あと、「人間は死んだら生き返らない」がかなり明確に出ていたのも良かったです。安易な復活はね…やっぱりね……とはいいつつフェニックスの尾を使う自分は何様だ(笑)。

ただ、数々の秘密はマルチプレイヤーモードで明かされる!というシナリオだと、新型PS2しか持ってない&オンラインはやらないと決めている人間としてはちょっとつらいものがありましたよ。
で、マルチプレイヤーモード、シナリオだけは読んだのですが、かなりオチが秀逸だと思います。シングルプレイヤーでもプレイ出来たら面白かっただろうになあ。

DCFF7は、FF7のストーリーに沿った理論がかなり強く打ち出されていると思います。ただ、FF7では「星とジェノバ」という割と小さい範囲だったのに対し、DCFF7だと宇宙規模の循環理論が挙げられていますよね。(範囲は結局星レベルなんですけど(笑))
あと、このストーリーでもFF7、FF10のように、「コピーとしての自分(ルクレツィアは故に、ヴィンセントの愛を拒むわけですが)」を「父親を打ち破る(呪いを打ち破る)」という形式になっています。
*ジェノバってきっと「genome」と「nova」の合成語なんだろうねえ。でもさすがにgenovaはマズイだろうから、jenovaにしたんでしょう。

キャラクター

とにかくルクレツィアさんが素晴らしかった! ものすごく共感した! 至る所で悪評高い彼女ですが、彼女の野心や弱さがとても人間くさくて、その弱さをひっくり返した強さがまた人間であることを主張していて。
私の中でFF随一のヒロインです。誰がなんと言おうと!
また、ヴィンセントがやっと「単なる(お笑い?)アイドル(偶像という意味でのアイドル)」から「(お笑い?)人間」になってくれたのも幸いでした(ひどい言われよう)。
やさしくて弱い人なんだよね、ヴィンセントも。ただ、弱いの裏返しで彼も強くなれる。んで、ヴィンセントとルクレツィアという組み合わせはオオボケという意味で最強だと思うんだけど、なー(笑)。
また博士たちの云々というので、何となく「ファミレス-宝条」の評価軸が自分の中で出来たかな、というのもあります。ファミレスは基本的に本当に研究者であり、あくまでも分析家であって創作家ではけしてありません。一方宝条は創作家を望んでしまった(能力ないのに)。

システム

ガンシューティングが初めてだったせいかもしれませんが、最悪でした……。
酔いまくるは、焦点合わないわ。全然爽快感がない。
で、ムービーと実際のプレイとの間で、ヴィンセントの能力が違いすぎてへこむプレイヤー。
せめてもう少し脚力つけて、爽快にジャンプさせてほしかったです。ジャンプをあえて設定しなかった理由も、初心者向けということを考えると妥当ではあるんですけどね。

そんなボロボロで決してうまいプレイヤーではないのに、それでも敵がまったく怖くないんですよ……。

音楽

浜渦さん担当。あのサイトの音楽を聴いてから狂喜した人数知れず(きっと)。
ゲームのBGMとしては非常によく練り込まれていて、非常によく場面に馴染んでいたと思います。
ただし、私の場合、テレビのせいで低音が全滅し、さらにプレイ中では逆にゲーム場面に馴染みすぎてしまって単純な旋律しか聞こえず、いくつかは面白くないと思ってしまいました……。
それがCDで聞くと評価が逆転!ものすごく緻密に手を入れている作品です。
低音が聞こえないと、DCの魅力は半減だよ!
Arms of Shinraはその典型で、低音ダメ・ゲーム場面ではカットされて使用されたこともあり「つまらないなあ」と思いましたが、ちゃんとCDで聞くとえらいおもしろいんですよ。同じ旋律、同じリズムをどぎつく繰り返しているのですが、ヴァイオリンとギターのロックぽさとかが、またちょっとFF7ACの音楽とは違った方向性で聞こえてきます。

今では浜渦さんの作品でDCが一番好きな作品かもしれません。
テーマをどう織り込むか、どの場面で使うべきなのか、というコンセプトがしっかりしていて、無駄な音がない!
あと、浜渦さん独特の、リズムの重点を小節の最後に持ってくるのよく分かる作品でした。

FF12

FF10との対比で言うと、「挑戦」を見せてくれて、その意味で非常にFF的作品だと思いました。まさに意欲作。FF7から続く系統の二番煎じにならなかっただけでもすごい。
松野さんのインタビューを読んだ中ではFF10を相当意識していたみたいですもんね。
FF10の路線を望んでいた人には面白くなかったかもしれませんがFF10のままだったら、正直先細りですよ。
というかコレを読んでくだされば、私の感想はおしまいな気がしてならないのですけども。

グラフィック

FF10以上に感服つかまつりました。
「何コレ!何コレ!」と歓声を心の中であげていましたよ。緻密というのがぴったりの、絵的表現を残したざらつき感のあるCG!
そのくせバトルの動きが割とリアルだし……。
きれいすぎます。むしろハードの機能がこの程度のほうが味わいのある絵になるのかもしれん……とちょっと思いました。PS3になると、手触りのCGはどうなっちゃうんだろうかなあ。
滑らかな質感のあるFF10のグラフィックの路線だったらPS3にぴったりだと思うんですけどね。
わずかな表情の変化、繊細なふるまい、その美しさがどうにもこうにもたまりません……。

プレレンダリングのグラフィックは、少しFF10のキャラクターよりデフォルメされているような気がしました。FF10の場合、ティーダの肌のざらつきとか足の血管とかすごかったもんなぁ~。(ACのマリンちゃんの肌のざらつきはちょっと老けすぎだと思うけど)
でも、可愛くってよかったです。
まあ、それよりもリアルタイムのポリゴンのほうが、絵的で好きなんですけどね。

ストーリー

酷評されるほどひどいですか……?
むしろギルヴェガンからの展開は他のFFに比べて好きなほうですけどね……。
もちろん、中だるみ感があったり、設定が生かし切れなかったりする部分が見受けられるのは否定しません。「陛下は売国奴だ」の理由をもっと楽しみにしていたんですが、それは裏切られてしまいました(泣)。
ジャッジマスターはあんまり怖くなかったしなー。ガブラス以外のジャッジマスターの存在感がもっとあったら良かったかも知れません。
ある程度先が読めちゃうし。でも松野シナリオは結構先が読める(笑)。それでも感動させることが出来るのが真骨頂。

しかし、FF3に比べると悪くないと思う、よ……?(自分の意見では、FF7よりもいいと思います)
個人的には、最初と最後の展開が大好きでした。でも、最後の展開に唖然とした、という人が多いのが謎です。なんで?教えてください~。

ストーリーとして、ヴァンが主人公じゃない、と言われていますが、私としてはヴァンが主人公でなければならなかったと思います。
だって彼が、うだうだと下手に悩む他の面子をつなげる役割があったと思いますから。(もう少し引っ張っていく部分が見られたら良かったのかも知れませんが、そうするとティーダと同じになっちゃうんですよ。)

ただし、このゲームは狙って空白部分(中だるみ)を作ったのかなあという気もします。なぜかというと、ゲームであることを重視したから。
だって、FF12って、「クリアしたから終わる」というゲームではなく、「さーてバトルしにいこう!」と楽しむものですよね。
そう言った意味では、FF10などのゲーム的な映像ではなくて、もっと純粋にゲームとしての楽しみを提供してくれた、と思うのです。
中だるみの部分は移動距離を短くすることによって防げたのかもしれません。だってアルケイディスまでの道のりが遠すぎでしょ。バーフォンハイム→ギルヴェガンも同様。「端から端まで無駄に移動させられている感」があります。バトルにはまってしまうと、その長さが逆に嬉しいんですけどね(笑)。

キャラクター

前にも書きましたが、人間くさいキャラクターばっかりで大好きでした!
フランとパンネロはゲームっぽい型通りのキャラクターだったんですが、フランさんのお尻に眩惑されました<アホか。
パンネロの場合、ガンビット設定でやたら黒い子にしちゃったので、それで他のキャラと同じくらいにまで評価が上がったかも……(苦笑)。
バルフレアとフランの関係がすごくいいです。同志的な罪の意識(こればっかり言ってる)があるんだろうなあ……とホントに思ってしまいます。罪の繋がりって響きいいですよね(?!)。

ヴァンが空気空気と言われていますけど、あの子、「嫌い」という人は少ないんじゃないかなあ。すごく素直で、アホで、可愛い。少年時代はアホでいいんです。アホで。
バルフレアと同い年になったとき、ヴァンのほうがいい男になってそうな気がするのは気のせいでしょうか……。きっと、年の割にヴァンのほうが恥ずかしいくらいまっすぐなんだけど、そのぶん侠気も溢れていそう。
レヴァナントウィングに超期待!
バッシュおじさまって、カンペキそうに見えるんですけど、ときどーきお茶目なところがあって、それが人間味を加えています。また、最初から途中までアーシェが好きになれないなーと思っていたのですが、それもとても欠点だらけだから「好きになれない」であって、ラグナ様とか(笑)ユウナ様とか(大笑)とかのキャラが「あまり好きじゃない」というのとは違います。
(説明になっていない気がする~)キャラクターとしてはとても生き生きと覇王やってましたね(笑)。

敵も魅力的でした。
敵は敵の正義があること、たまたま主人公たちの正義とかちあってしまうこと……そして、敵はその自分の悪をちゃんと認識して、自分の未来を手渡していくことが出来ること……その相対的な正義をよく表していたと思います。
だから私は結構ヴェインが好きだ(笑)。容赦なく、自己欺瞞もなく、彼は自分の求めるものを知っている。
彼が去っていくとき、悲壮感がない。最期の瞬間、あらゆる呪縛から解放されたのではないでしょうか。
ウォースラもそう。(私はこの人を敵として認めたくないですけど…)
彼が一番アーシェと国を思っていたように思うのです。だからこそ、一緒に逃げようよ、戦う必要なんて何もないよ!と何度言いたくなったことか。いやぼこぼこにしたけどさ(てへ)。

もっとも、こういう「相対性」が、「お話として面白くない! もっと勧善懲悪じゃないと!」という評価になってしまうかもしれませんけどね……。
っていつの間にかストーリーの話に。

バトルシステム

ADB、リアルタイムの駆け引きが求められるFF12のバトルは中毒性有りすぎです。
大地を駆けめぐって敵にぶつかったら自動的にバトル、なのに、「キャラクターが勝手にやっている」感がない! 抜群の「自由な操作感」を与えてくれます。敵を選択できるからでしょうか。

強敵になるとマニュアル入力では間に合わなくなりますから、バトル用簡易プログラム、つまりガンビット頼りになりますが、それでも凄まじくスリリング。また、そのバトルの仕草が皆素晴らしく美しくて眼福です。
戦略性と緊張感があいまって、しかもなんだかリアルな動きに見とれてしまうことしきり。

それにねえ、ボス戦の場合、「怖かった……!」というのではなくて「面白かった!」と言い切っちゃうくらい、面白いんですよ。そりゃ他のゲームのボス戦だって面白いですけれど、FF12ほど素直に「面白かった!」といえる作品はなかったです。
基本的にはレベルを上げて無難にバトルしていこうというタイプなのですが、FF12の場合はあえてレベルが上がる前にトライしようという気にさせてくれるのです。うまく行かなかったら、レベルを上げるのではなく、武器や戦略を変えてみる。非常にゲーム的な部分ですよね、これらは。
ゲームを遊ぶことがこんなにも楽しいのかをベイグラントストーリーに続いて味わわせてくれました。
本当に有り難う。

世界観

これはイヴァリース(イギリスのもじりだそうです)ですから、やはり外観的には、ヨーロッパ、中東の影響が強いように思います。
でも、それらは割と一貫した信念にまとめられているような気がします。中途半端感のない作り込みが、単に「何かのコピー」になっていません。……つまり、好きってことですよ。
きらびやかな装飾が施された建物、くっきりと広がる青い空。明るい砂色に、廃墟。
……たまりません(じゅるり)。

音楽

崎元仁さんのコメントと、作る曲のギャップを見ていると「結構この人もツンデレくさいギャップがあるよねー」と思ってしまう方です。ご免なさい。つまり、超照れ屋ってか。
コメント大好きです。面白すぎです。
そのくせ生真面目な音楽も大好きです。

FFには植松さん、とおっしゃる方もいますが、やはり松野作品の権謀術数(ってほどでもないが)といったら、崎元さんらしい複雑な構成の音楽が似合うと思うのですよ。
基本的につまらない曲がない! ボス戦はどれもかっこよい!
でも帝国のテーマは「ダースベイダ○のテーマ」そっくりでいいのかな?いいのかな?と思ったのは内緒です。

ただし、前にも書きましたが、単体としては素晴らしい曲なのに、フィールド曲として使われているのががっかりしたものもあります。ギーザ・モスフォーラあたりは、曲は好きなのに、ギーザ草原ってもっと平和なところじゃない!などと思ってしまうのですよ……。
セロビ台地はその点、ぴったりでよかったなぁ……。
初めてだったんですが、松尾早人さんの音楽が聴けたのはちょっと嬉しかったです。この人の音楽ははまるかもしれない……。ナブディス周りの曲は本当にきれいだし。
よく聞いてみると未使用の曲なども、「崎元さんほどキャッチーじゃないかもしれないけど自分がはまるタイプの曲」と分かりました。

さて。
これで全部ですっけ?
でも、こういう分け方をしてしまったことで、FF10とFF12の面白さの違いについて書き切れていない部分があります。

テキスト解釈から見た面白さ、ももちろん楽しく、ついつい自分もそれを書いてしまうのですが、「そのようにテキストを読み取った人にとっては」面白いのですが、そう読み取らなかった人については「面白くない」。
たとえばFF8などは非常に限られた人たちしかひねくれた読み方をしてないわけだし(笑)。
本や映画、漫画と同じ基準で楽しみについて語るのであれば、このテキスト的な解釈が重要になってきます。

逆に、FF12をプレイしていて思ったことというのが、「テキストから離れた文脈での」楽しみ。シナリオ云々ももちろん楽しんでいますが、自分が一番はまったと思ったのはバトルです。このバトルの面白みは、どういうものから成立しているんだろう、と常々思っていまして……。
言語化されない部分での楽しみ、もしかしたらこれぞゲームというメディアの独特の楽しみなのではないかと思ったりするのです。それを、見過ごしてはいけないんじゃないかと。
でも、じゃあその面白みの正体は何なのか?といわれてさらりと答えられるわけじゃないんですけどね。

ということで、おしまいです。
一ヶ月はお待たせしないと言っていたのに余裕で超えてしまってご免なさい……!

ヤズマットもワンダも終わったので、そろそろ「野郎で行く:イヴァリース巡り」に挑戦……?

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