Palingenesie

一応、スクリブルとトークの合いの子のような記事です。自分のFF10に対するイメージについて。

FF10の二次創作をほぼ一年半年ぶりに脱稿。とはいえ、FF10創作を復活させるつもりではなく、お祭りに便乗してしまおうという限定企画。ですが、とっても暗い話。

EBでは分かりやすく永遠の円環(この手のタイトルをつけたことがあるような気がするので、いささか気が引けるのですが)となっていますが、原題はPalingenesie。たぶん、「ぱりんげねじー」と読みます。現在FanFicでごらんいただけるのはこちらの題となっています。

岩波文庫のショウペンハウエルの「自殺について」の中の一編で説明されていた言葉です。春頃に岩波文庫で読んだとき、「おー、これってばFF10の世界観をアナロジーとして考えるとすごくよくわかる!」とびっくりしました。この言葉の意味、辞書では「反復再生、再生、(宗教用語で)再生、輪廻」となっています。ならばわざわざドイツ語なんか使わなくてもいいじゃないか、と(自分でも)思うのですが、実際の「パリンゲネジー」の意味は、「イコール輪廻」とは言い難い、のです:!:
わざわざその本も、輪廻とふりがなを振りつつ、Palingenesieと無理に訳さずに残してありました。
んで、どこかに良い説明ページはないかなーと探してGoogle氏が最初に持ってきたのが以下のページ。

Palingenesie (gr. palingenesia aus palin = wieder und genesis = Geburt), Wiedergeburt, lehrten die Pythagoreer und einzelne Stoiker. Auf den Kosmos bezogen, stellt sich die Lehre der Stoiker von der Palingenesie so dar: Wenn die Zeit gekommen ist, zehrt das Urwesen den Stoff, den es als seinen Leib von sich abgesondert hat, allmahlich wieder auf, bis am Ende dieser Weltzeit ein allgemeiner Weltbrand (ekpyrosis) alle Dinge in den Urzustand zuruckfuhrt. Dieser Vorgang wird apokatastasis genannt. Hierauf beginnt jedoch die Schopfung einer neuen Welt, welche, demselben Schicksal unterworfen, ganz dieselben Erscheinungen hervorbringt wie die fruhere. (Siehe Zeller, Philosophie der Griechen III, 1, S. 136 ff.) Auch Empedokles (484-424) nahm schon ewig wechselnde Perioden der Weltbildung an, je nachdem die Liebe alle Elemente vollig vereinigt (Arist. Met. II, 4, p. 100 b 1) oder der Has sie vollig trennt. – In moralisch-religiosem Sinne heist Palingenesie (gennethenai anothen Joh. 3, 7) Wiedergeburt, d.h. radikale Besserung; metaphysisch-religios bedeutet sie die Auferstehung der Toten.

出展:text.de

何がなんだかさっぱりですよ;(

数年ぶりに独和辞典を片手に解読作業に入りました。青星のトンデモ訳でよければご覧ください。

Palingenesie(palingenesia のpalin=英語の接頭辞のre(再)、genesis=birth(誕生))とは、ピタゴラス派とさまざまなストア派学者によって論じられた。「Auf dem Kosmos bezogen(宇宙に関係する(もの)、といった意味)」ではストア派のPalingenesieについての教えは以下のようなものである:「時が来れば、その本質からその肉体(Leib)を分離していた材質の原本質は、世界大戦争(Weltbrand)の最後の時すなわちあらゆるものが原始状態に戻るときまで、だんだんと消費されていく。この出来事はapokatastasis(=万物の更新?)と呼ばれるだろう。これにつづいて新世界が創造されるが、この世界は以前のものと同じ運命の支配下にあり、以前のものと同じ外観を作られている」。エンペドクレスもまた、愛があらゆる要素を一つにするか、あるいは憎悪がそれらを完膚無きまでばらばらにするかのどちらか次第で絶えず変化する世界形成の時代を受け入れている(ここが微妙…je nachdemの訳し方がいまいち分からない。もしかしたら、「世界が変化した結果愛が全てを一つにするか、憎悪が全てをばらばらにするか」、という意味かもしれない)。倫理・宗教的意義では、PalingenesieとはRebirth、すなわち急速な快方・改善という意味である。また形而上学的・宗教的には、死者の復活という意味である。

多分哲学用語出まくりなんでしょうが、門外漢というより宙外漢というくらいに哲学に縁のない生活してるんで、哲学好きな方・またドイツ語得意な方がおられたらばしばし間違いを指摘してください。

訳がトンデモなのでうまく言い表せているか不明ですが、これって、ものすごくFF10的世界だと思いませんか? ストア派の考えでは「破壊され作られる。しかしそれはまた同一の運命=Sinを背負ったものとして」
またあの幻光虫の描写。魔物も、人間も皆幻光虫となって原存在とでもいうべきものにもどっていく(=FF7の魔晄はまるで生命のスープのようです)。

でも、自分としてはショウペンハウエルを下敷きにPalingenesieを考えている(誤解している自信たっぷり)ので、「すべては戻っていくんだよ」という方向性で解釈したいと思います。

えーと、Palingenesieにからめた話とか、自分ではティーダの復活をどうとらえているのか、などなど、実はいろいろ語りたいことがあるのですが……それはまた今度。考察記事にして上げますね。

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