クリアしました!
最終的にアーシェ48、残りのメンバー49、最後のセーブ時間は91時間……だったかな? 自分が言うのもなんですが、なんとしょぼいプレイヤーであることよ……プレイ時間の割にレベルが低すぎないか?
あのお方とかこのお方とか狩り残し、もとい、出会っていないので、また最後のセーブポイントから世界中を回りまくることになると思います。
感想は……
- それなんてスターウォーズ?(ルーク抜きエピソード4)
- バトルシステムが合わなかったのならともかく、なぜ叩かれるのかさっぱり分からない。
ストーリー、王道だけど超好み。 - バルフレアは最後までいい男だった! (アーシェには悪いけど)バルフラだー♪
- バトル最高。
- 音楽は単体としては素晴らしく、使い所に難あり。
- Kiss me Goodbyeは良いが、「希望」はリズムにどことなく安っぽさが漂って微妙。
- FFであろうと苦心した様が見て取れる。
- 個人的には大傑作。FF10、超えたかも(笑)。
さて、以下各項目について細かく叫んでみませう。
*あくまでも、妄想の入りまくった青星の個人的感想ですからね!
他の方の感想を否定するわけではありませんっ。
ルーク(主人公)のいないスターウォーズ
こ、これはスターウォーズファンであれば、パクリインスパイアというのがバレバレですね…… (青星は旧三部作のそれなりのファンです(リ、リアルタイムでは見てないのよ一応)。 DVDも発売前日にフライングゲット!! でも本当は修正版よりオリジナル版のほうが好きなの……)。
バルフレアは主人公ルークを食っちゃうほど存在感あるハンソロだし、フランは色気のあるチュウイ(爆笑)。アーシェはレイア姫の性質をかなり受け継いでるし、バッシュは、ちょっと違うけどあれだな、オビ=ワン・ケノービ(ジャッジマスターな弟がいるしさー)。ジャッジマスターたちはダースベイダー、特にジャッジマスター・ガブラス(ノア)はエピ6まで含めてのダースベイダー(大笑)。ヴェインは皇帝。オンドール侯爵はクラウドシティの支配者の紳士的変化。
残念ながら(?)ヴァンとパンネロ、ラーサーに当てはまる人物はいないかな。ヴァンはルークになり損ねた主人公。でも、
なり損ねたのにはちゃんと理由があります。
ここで私は「あー、FFだなあ」と思いました。
スターウォーズとそっくりでありながら選んだ結末が、実は正反対だった、と。詳しくはストーリーの感想で。
ストーリーについて
FF12のストーリーは伏線が回収し切れていないとウィキペディアでも延々と述べられています。
じ、自分、それが穴だと気づかなかったんですが……お馬鹿さんだからか、妄想力が発達してるせいか(泣:どっちにしても嫌)。みんなのいってることわかんないっ!!
たとえば、アーシェがバルフレアに惚れるというのは唐突でした?
個人的にはフォーン海岸の辺りから「くかー、アーシェ、きっと惚れたな」と思ったし(実際は自分が”きゃーっ”てなってました)、最後のバハムートのシーンでも「あ、バルフレアがアーシェのこと理解してるとアーシェは感じているよな、それであーやってアーシェは答えてるよね」と思いました。
というわけで、個人的には全く違和感なかったんですが……あのおねえさんが、リノアやユウナやティファやエアリスのように「ラブラブ光線」出していたら幻滅この上なし。せっぱ詰まった状態でなければ思いを表現できないでしょ、あの意地っ張りなら。
むしろその前にべたべたやられていたら「バルフレアに何をする!」
とワタクシがコントローラを投げてたかも(大笑)。バルフレアはフランがいいんですよ、フランが
(これは偏見)。
自分としては、「ゲームの中ではこの程度しか語れないんじゃない?」というのが正直な意見。
まずは主人公の心を語らせる方法をとらなかったからでしょうね。
7は精神世界で、8は独り言のかたちで、10は語りの中で主人公の思いを語らせましたが、12でやるとなると比重がヴァンに寄りすぎてしまう。
ついでに、彼は(他作品とは違って自分だけ特別なのではなく)とても普通の17歳なので、「空賊になりたい」というのも割と気軽に考えていただけなんじゃないかなーと思います。あまり強い気持ちが見えなかったもんね。むしろ本気で「空賊になりたい」と思い出したのはバルフラと出会って一緒に冒険してからだと個人的には踏んでいます。
それは他の登場人物にもいえます。特殊能力を持った人たちではなく、最後の最後まで、バトルメンバーたちは「人間」であろうとしました。最終決戦でも、
覇王というイキモノになりたがった人間に対して、無力ながらも希望がある存在としての人間を信じようとした者の対決です。
アーシェはオキューリアなる神との関係を断ち切ることを決断しました。だから、それに従えば、それより高次元の存在についての物語を語ることは出来ない。したがって、オキューリアはまさに「シュレーディンガーの箱に入っちゃった猫」で、彼らが「(たとえてみれば)生きているかどうか」観測できないのです。
もしオキューリアのその後が分かったのであればより高次元な存在、つまり人間ではない存在であるわけで、物語の芯が破綻してしまいます。
ここが、スターウォーズと違うところなんだよなー。
主人公ルークがいない理由でもあります。
スターウォーズの主人公、ルークはある特別な才能(フォース)を持った青年です。そのフォースと精神が育成されて「特別な存在」となり、その力で反乱軍(共和国軍)を助けていきます。RPG典型のお話です。てかまあ、普通の成長物語のパタンと全く同じわけです。
ちなみに私がアーシェを例えたレイアも同じ力、フォースを持っています(もっとも彼女はその力をほとんど揮わないのですが)。
一方仲間たちは普通の人間であり続けました。
個人的な解釈ですが、ヴァンは特別な能力を身につけるという意味においてその「ルーク」になりえたかもしれません。なぜならアーシェと同じく、彼も兄の幻影を見ていたからです。もしかしたら、彼の憎悪が広がればそのままフォース、もとい、破魔石に手を伸ばそうとしたかもしれない。
ですが、彼の柔軟性、すなわち悪とレッテルされたものが実は善かもしれない可能性もあることを理解していく過程=成長によって、破魔石は不要になるのです。
彼は自らルークの道、一人だけ傑出した英雄となる道を捨てました。破魔石を砕けとまで言うほどに。
強さの現れです。
それを見ていたアーシェも感化される。
神から見ればたとえ人間から見た蟻のごとき些細な存在だろうと、人間が人間であろうとしました。ヴェインのように見えない力に頼るのではなく。
その点で、少し視点がスターウォーズよりも成長してるなぁと感じました。(そりゃ後続の作品ですもの)
ここがね、個人的にはFFだ!という一押しの部分だと思うのです。
人間に対する圧倒的な、少し気恥ずかしいくらいの肯定。7にしても8にしても9はどうだか知りませんが(ひどい)、10にしても。
だから、この物語にはルークの立場はいなかった。したがってヴァン様は風になっておしまいになられた(笑)。
最後のヴェインへの特攻はよかったけどねっ!
穴についてもう少し考察。
ゲーム内で語られた謎のどれが真実かどうか、それはプレイヤーに任せるというのは、
松野ゲーではベイグラントストーリーの時期からあったしね。作りかけの部分も実際あるとは思いますが、穴と騒ぐほどのものではないと思います…。
ただね、……最近、若い人を見ていて思うのですが、全体的に「自分は○○をしてもらって当然だ」という傾向が増えた感じ。だから明かされなかった部分があることが許せないのかなー。FF10エンディングでも思ったけどね…出たら出たで面白いけど。
それとも自分の鈍感さによってその穴を穴と認識してないだけなのかなー。
どっちにしてもせっかく利用できる空白があるんだから自分から楽しく考えてみようよー。
バルフレアとフランが出会った理由が分からなくて困る? そんなん、自分で妄想すれば楽しいじゃない! レックスの幻影が見えた理由が提示されてたら無粋でしょう?!
最後のあたりが「オートヘイストかかったストーリー展開」とかありましたが……そうでしょうか?
むしろ前半部分が逆にテンポが遅すぎたんだと思うんだよ……。
というわけで。
遊びは想像力だ! と言いたかったり、する。
穴だというのであれば、設定負けしちゃっているところ。たとえば元老院、皇帝、ヴェインの三つどもえは本当にもったいない。覇王の剣の無駄さかげんとか。お使いゲームと化していた部分とか。
……もしかして自分、いろいろ無駄に読みが深すぎたのかもしれない……。
キャラクターについて
味方には味方の正義、敵には敵の正義があって凄くよろしかったですよ。
ある意味「らしい」人間性の持ち主のキャラ。ライトファンタジーでありそうなように、どぎつすぎない(除くアルシド:いいキャラ)。
メインキャラにそれぞれの葛藤が描かれてあるのですが、この程度で良いんじゃない? というのが自分の意見です。だってそんくらいじゃない、全体的な話の濃さが(ひど)。残念ながらヴァンとパンネロだけ、ないんですよね。だから余計影が薄くなる、と。プレイヤーの立ち位置に沿ってくれていたキャラだから仕方ないかな。私はこれはこれでアリだなと思いました。
ただ、トレイラーにあったパンネロが手錠かけられてヴァン…と呟くシーンや、パンネロのダンスシーンムービーがなかったのが残念。バッガモナンのおっかけっぷりがもっと出てくればよかったのにー。えーとバッガモナンイベントですが、やりかけ(受けはした)でした。迷子になって、会いに行けなかった。ちっ(舌打ち)。
さて、そんなこんなの主人公だったせいか、最初から最後までバルフレア一押しで終わりました。私は単純な人間でスターウォーズですらハンソロよりルーク好き、という主人公好きな人間なのですが、公式サイトのキャラ紹介時点から既にバルフレア好みでした……。
あ、「この物語の主人公」といっているからいっか♪ ただ、実際に彼を主人公と見なすにはいささかためらいがあります。彼は今回は脇であるから美味しい立場だと思います。
フランさんは予想外にお気に入りキャラに。あのスタイル!あのおしり!(笑) きゃー、すてきー!フラン姐さーん!! しかも年齢不詳?! なんて美味しい設定!
フランとバルフリャーが一緒にいる理由もなんとなく邪推できたのも良かったなぁ。バルフリャとフランは同志的な罪の意識を持ってる(大事な人やことから逃げ出したこと)からこそお互いの絆が強いんだろうなぁ。
バッシュの、ついみんなに頼られちゃう苦労人っぷりも(笑)、でもなんとなくのんきなとこもいいし、
アーシェは気の強さを最後まで続けてくれたし、ラーサー君がもう少し黒かったら面白かったなーと思いますが、まあいいでしょう(でないと、アルケイディア全滅だもんね)。
バトルシステムについて
何度も言いますが、私はベイグラントストーリー信者です。
なのでバトルシステムにおいて正統な後継者と言えそうなFF12は大好きです。
突然画面が切り替わって強制戦闘するより、シームレス、見えているところに戦いに行くのが良い! 広々としたフィールドを走っているその風景を見るだけでも十分楽しい。
ガンビットの設定をするのも楽しくて。ほとんど自動化されたバトルですが、テンポがいいので退屈しません。コース取りはこちらに任されているわけだし。敵は増えたりするし。かえってガンビット設定がうまくいくと「やった!」と思いません?
後は背後から攻撃すると攻撃力1.5倍などあったら面白かったなーと思う。それはさすがにムリか(笑)。
また逃げるのが苦手だった私は、他のFFではついそのまま戦ってゲームオーバーしていたんですが、このゲームの場合は「戦略的撤退!」と内心叫びながら突っ走っていました。
あと、戦い方の動きが「ほんもの」ぽくてよかった。銃や弓を持たせると間合いを自動的に取るでしょ?
あれが凄く好きです<またコアな好みを……。
召喚獣の扱いが結構かなしくて、コレクション要素と堕してしまっているんですが、これはFF10の功罪だなぁ……。確かにあの怪獣大戦争みたいなのは抜群に面白かったんだけどね。
FF10ではこちらでかなり自由に操作出来たという記憶に引きずられちゃっているため、FF12の召喚獣システムは損をしてしまった感じがします。
従来の召喚獣というのは時間をかけて現れて、一発大技かけてくれるだけだったじゃないですか。となると、さしてFF12の召喚獣は使いづらいというわけでもなかったはず……なんですけど。
ですけど。
私も使っていません(ちーん)。
ラスボス最終形態の「アセンション」にニヤリですよ。というか、あの最終形態からしてベイグラのラストバトルそっくり。ラストアセンションだー!と思って思わず「たたかう」を連打したくなったのは私だけでしょうか。(ベイグラプレイヤー以外分からない話ですみません)
音楽について
作曲家は崎元さんとなっていますが、岩崎匡治さん(FFTでも共作)なども加わって作曲だったそうですね。
単体としては凄く聞きばえのする華麗な音楽だったと思います。古典的なファンタジーにぴったり。
ただ、使い所に関してはいまいちフィールドと音楽があっていないなあと思いました。のんきな草原や山地を走っていくのに勇ましすぎる曲だったりするとちょっとがっかり。
ボス戦とか召喚獣戦の曲、私は大好きです。バハムートに入ってからなど、ところどころFFTを思わせる曲がありましたよね。
クランの音楽はFFTAの音楽ですよねー。なんか聞き覚えがあると思った♪
これについてはサントラを予約済みなので、また後ほど。
Kiss Me Goodbyeはいい歌ですねえ…でもエンディングで使われるだけではない使い方をする、と仰っていたのにもったいない。
アーシェがオキューリア(ラスラ)と訣別するシーンに使ったりすると効果的だったんじゃないのかなぁ。
葉加瀬太郎の音楽は、悪くはないけど……安っぽいクラシックもどきでした。一般受けはするだろうけど、ちょっと泥臭い感じがして私はあまり好みではないかも……せっかくポップスとクラシックの融合的な音楽をやるのであれば、もう少し先鋭的なものも欲しかったな。
FFであろうとし(てなりそこね)た作品
とにかく、ストーリーも音楽も世界も、最初から最後まで「少年ジャンプ」で言うところの「努力・友情・勝利」の精神・FFバージョンを受け継ごうと努力しているのが見え見えでした。
でも、恐らく典型的FFを作ってきた人ではないため、その「らしくなさ」が奥底に流れていて、
それがちらちら見えたのがちょっぴり痛々しかったです……なんて思ったのは私だけ?思い切っちゃってもよかったんじゃないかな。
そもそもFFはDQの挑戦者という立場から始まったんだから、もっとストーリーの面では攻撃的に出ても良かったかもね。
バトルはかなり挑戦したと思います。
ただし、オフラインのここ三作ほどでは出来なかった斬新なFFを作ってくれたと思います。その挑戦的な態度に、心から拍手を送ろうと思います。
グッジョブ!
私にとっては、その態度において「本来のFF」らしい作品でした。
結論
私にとっては大傑作でした。
なにせスターウォーズ好き(原理主義の人は許せないかも知れないけど、私はてきとーに好きなタイプなんで(汗))、ベイグラントストーリー好きですよ……。
FFの肯定的な精神好きですよ……。
あのうっつくしいグラフィック、FF7ACとは違った意味でのアプローチの仕方が大好き。
第一制作部のFFは画像に対してリアルな質感を持たせつつ、身のこなしやアクションなどでCGである利点を抜群に生かしているのだと思いますが、FF12のグラフィックは絵的な表現を残しておいて、動きはひたすら人間臭く、突飛なアクションをあまりさせない。今回のお話には特に後者のこの手法がよく合っていたと思います。
見事に轟沈しました、侯爵!
名は体を表すと昔から申しますが……(笑:ヴァンはフランス語の風という単語から由来するそうです)。
風~で笑ってくださって有り難うございます。一記事に一ウケを入れておきたい今日このごろ。
今回はFFらしく斬新でしたよね~。7-10まではもちろん好きでしたが記憶喪失(自分の正体を知らない)などと「いつも同じパターン」と思っていたので、そこから抜け出せただけでも十分嬉しかったです。
まあ、そのせいで評価が思い切りよく二分されているんだと思いますが……。
語られなかった部分を「穴」と見なすか「行間を読むための余裕」と見なすかは個々人の選択によるものだと思いますが……あー、そういった意味でも、どれみさんが仰っておられた「積極的に楽しむタイプじゃないと楽しめない」ゲームだったのかもしれません。
バルフラ! バルフラ! おお、支持一票!
バルはあんな顔して結構甘えん坊なところがあると思うので、フラン姐さんくらい年上の人がいいんですよ、きっと。母でありきょうだいであり、恋人。うわー、一人三役!
となぜかにやけながら退場します(笑)。
クリアおめでとうございます!
青星さんの的確な考察に膝を叩きつつ、「風になっておしまいになられた 」発言に、ディスプレイの前で笑い転げました。家に他の家族がいない時間で本当に良かったです。(笑)
総括して、今回も新しいことに挑戦したFFらしい作品でしたよね。人間賛歌というテーマもきちんと貫かれていましたし。
「遊びは想像力」というのは、金言だと思いました。語られない部分を自分であれこれ妄想…げっふん、想像するのが楽しいですよね。そしてバルフリャには、やはりフラン姐さんだと自分も思います。
長々とよた話を失礼いたしました。