出かける前に慌ててレビューしておきます。届いたばかりなんですが、
これはいい!
花帰葬って何?という方はこちらへ。
あ、私は未プレイです。もともと、志方あきこさんの音楽が好きだったのでサウンドトラックは持っていますがほんのりBL系らしいため、手を出していません。(それにいわゆるサウンドノベルなのですごいイライラしそう)
志方あきこさんは恐らく「癒し系・民族系」に分類される音楽だと思いますが、この方の多彩なコーラスワークはとても美しい。
(高音部分は音が登り切っていなかったり息苦しそうな部分があるのを否めませんが……普通の人より音程に文句をつける人間なので、そこらへんは割り引いてください)
もっとも評価しているのはその奥深くオリジナリティ溢れる旋律を生み出す力。
安っぽいメロディって世間には結構転がっているんですが、そんな「安上がりのメロディ」がない。とても面白いんです。
生音になると、途端に音に深みと迫力が出ます。すごいな、こんなに魂を揺さぶるようなメロディだったんだ。
編曲がより哀切さを歌いあげるようなものになっています。
ちょっと展開が早いかなと思ったり、もう少し原曲のシンプルな美しさを活かしたほうがいいのかなと思う部分もありますが、出来るだけサントラ内のいろんな曲を取り込もうとした結果でしょう。クラシカルな部分から和風っぽいところまで、なかなか幅広い「哀切さ」があります。すごく耳馴染みがよい。
気に入っているのは「研究者のテーマ」の冷たいような、切ないような、冷徹なアレンジ。(その理由は浜渦さん好きな部分と根っこは同じだ(笑)。)あと、やはりコーラスワークが効いた「Nevicata」はいい。
le lacrimeは原曲にかなり近いアレンジで、「そうそう、生音で聞きたかったよー有り難う!」というもの。
ちょっと残念だったのは8番目のsorriso。最初のサントラのシンプルなのが一番よかったなあ……これはオケアレンジなどの大仰なものではなく、小編成で美しさが際だつと思う……。
sorrisoという曲は花帰葬のサントラおよび、彼女のメジャーデビューCDの異なるバージョン、そしてこのオケアレンジ、と三つあることになります。 それを言ったらse l’aura spiraもか。多分御本人もお気に入りなんでしょうね。私も大好きな曲です。
演奏者については……(苦笑)。
大編成なだけあって、音程の狂いがはっきりしないのもいいですね。
でもものによっては弦楽器がひどい……。
音が個々バラバラに聞こえてきます。もちろんこれは編曲が悪いんではなく、確実にオケの腕が悪い。でも、サガフロ2アレンジのオケよりずーっとマシなので、聞くに堪えうるだけの技量はあります。あと相当サラウンドをかけているので、相当ごまかしも効いている、という(笑)。
劇伴レベルなら合格。
オケアレンジは時に退屈になってしまうのですが、この荘厳なオケアレンジはかなりよい線いっています。
志方あきこさんを聞いてみたいと思うなら、オススメ!
*メジャーデビューのCDより同人時代のCDに出色の出来のものが多いので、オススメしておきます。メジャーデビューものは一般受けするとは思うけど、それまでのファンにとってはちょっとがっかり……でした。技量としてはよいものに仕上がっていますけど。