シグマ・ハーモニクスのレビュー

どんどんシグマ・ハーモニクスのタグが大きくなるなあ……。面白い。
ところで、最近、細かくやってなかったので、なんちゃってレビューをやってみようかと。

ひとことで言うと。
ひどく容赦のないゲームです。(笑)

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[rating:3/5]

表向きにはこういう評価(笑)。良い点と悪い点が両極端で脚を引っ張り合って、結局平凡な評価になる感じ。人間平均値なんてないんだぜ!と言いつつも、人には非常におすすめしにくいゲームです。
愛情度で言ったらもちろん[rating:5/5]ですよ!てか満点以上!

シナリオについて

最後に大逆転!
カンジンのミステリ部分に物語の面白さを求めてはいけません。何せ動機に至るドラマは展開されていないので、非常に淡々としています。(動機がさっぱりわからん殺人もあるし)

私はこの最後の大逆転がなかったら「あーそれなりにねー」というところだったんですが、最後で魂持って行かれました。いや、これいいよ、すごく好きだよ!
ノイズ混じりのオープニングからある程度、存在の不安定さについて多少の期待感を感じていましたのは確かですけどね。あ、メタ、メタっぽい存在とか絶対あるってば!てな予想的中。うはははは。大好きだ!

さて、もちろんストーリー展開もよいのですが、その後にある用語集を読んで愕然とすることが多々あります。どうしてこれをゲーム内で展開してくれなかったのか?!
ということで、ゲームそっくりそのまま、他メディアでの展開を切に望みます、スクエニさん!!
出たら買いあさる! ……と、思う……、あ、でも、OVA化だけは勘弁。(高くて買えないから。あとアニメはさすがにこの年になると恥ずかしいのですよ(見ていてこう、こそばゆいっちゅーか恥ずかしいっちゅーか、全く個人的な問題ですけど)。漫画ならともかくとして(漫画は大丈夫らしい))

推理パートのストーリーについて

特にミステリ読みではないし、ミステリを読む時もトリックを解くことに興味を持たず早く答えを読んでびっくりしたいタイプで(しかし種明かしから読むタイプではない)、非常に受け身的に楽しんでいるだけなので、かなり苦しかったです。
あと、自分の頭の固さを感じました……。第五章で。

異なる時間を渡りながら、そこで起きたことを見ていく(起きたことには基本的に嘘がない)というものなので、断片的にのみ物語が紡がれます。一応シグマ君の華麗な(笑)種明かしがあるのですが、そこでしか一貫した説明が得られないので、印象がどうしても薄くなります。

推理パートのシステムについて

証拠をパズルのピースにして、ピースを置いていく形のものとなります。普通の文章リストの中から選択肢を選ぶミステリゲームとは違うところが斬新で、非常に高く評価したい部分

が!
その代わり非常に面倒くさいです。証拠を探して画面をつついていかねばなりませんが、調査するためにはいったんメニュー画面から「調音査」メニューを選び、その場に立って、いたるところをつつくことになります。で、その「立ち止まる場所」は、たいてい部屋をすべて見とおせる状況ではないので、少なくとも同じ部屋に対して二回は「つつきまくる」必要があるのです。一回で済むならまだいいんだけど。
せめてその部屋一個分くらいは歩き回らせてくれよー、と思ったのは私だけではないはず。非常に面倒くさい。(繰り返し)
つまり、インタフェース面は分かりやすいけど一手間多くて面倒な感じ。
なんといえばいいのかな、そうそう、隠す必要もないのに、無駄にenterページがあるようなタイプのサイトと言えば、今回のインタフェースの的確なたとえでしょうか(笑)。

また、解くのは難しいです。
正しい証拠をおいているのに、ゲーム側の仕様で「正しい結論」が出ない場合も多々。もう少し妥当性の高いパズルにしておいてください。(てか私が馬鹿だってだけなんだろけどな)やり直し必至。
特に第六章はどーにかならんかね。やり直し出来ないし。

それにしても、多くの殺人方法がちょっと人間離れしてると思うんだよね……手間暇掛けすぎでしょ犯人たち。
(そして、そのアクロバティックな殺人方法の場合は、方法についての説明がないのだ、殺人方法こそがミステリの醍醐味だろうに、つまらん!!)
また、動機がはっきりしないことが多く、それゆえにきついものがあるかも。

ただ、シグマ君がSからDランクまでの楽しい推理をやらかしてくれるので(特に低ランク評価のシグマ君は見所!)、それを楽しみにでたらめにパズルをおくのも可かと。やり直してナンボなシステムともいえる。
ひどい推理だと、シグマ君が「あいたーっ!」という顔をするのが楽しいです。

ウィッシュルームのように簡単に先が見えるものでもないので、解けたときのすっきり感はだいぶ良いです。「スッキリ」ボタンを連打したくなることも。
その分難しいというわけですが。
もちろん「だいよんがくしょう」は抜く。あれは剣の子の発言が面白すぎる。刺身のツマか!

RPGシステムについて

これはおすすめ。
強くおすすめ。DSならではのシステムをうまく使っていると思います。

ネオンに戦わせてシグマがそれを導くという形となった、アクティブタイムバトルの一種ですが、非常に斬新です。テンポ良く与えられた手をペンでなぞって出していくような、トランプゲームのような感じですが、その手が使えるようになるまでの時間はバトルミュージックによって変わってくるんですよ。
また、ネオンには魔法系、剣系、銃系のジョブがあり、それぞれに3段階の成長があります。推理パートでは発展系のジョブのコスチュームは見られませんが、バトルではちゃんと見られます。

緊張感も高いし、バトルを続けて相手に隙を突かせる間を見せないようにしていけば、強い敵でも倒していけます。が、ヘタをすると、ころっとやられてネオン(銃)から怒られる始末。

グラフィックについて

ゲーム場面は非常に綺麗。
シグマ君やその他の登場人物が動くのがなかなかよいです。個人的にはねねちゃんがばっくばっくと歩くのが好き(笑)。
重要なシーンはイラストシーンでつながっていきますが、シグマ君の顔、イラストごとに結構違うような気がするんですよね……。
あと、私は腰から上のシグマ君のすました顔とSランク評価のほっとした笑顔が好きです(笑)。

にしても、ゆう君の部屋、おもちゃが多すぎてなんだかちょっとイカれた人の部屋のように見えるのは私だけですか? でっかいパンダのぬいぐるみが欲しいぜ(私も十分イカれている)。
仮面の執事の部屋とか大婆の部屋はそのキャラから別に不自然じゃないと思うんですが。
あ、仮面の執事さんの正体、っと、元ネタは怪人二十面相ね。だいよんがくしょう(第死楽章)にて、面目躍如たる活躍を見せます。大爆笑もん。

音楽について

これは浜渦教の熱心な信者であるワタクシが言うべきではないかもしれませんが、すんごく良いです。ゲームとの相性はとてもよく、同時に、決して隠れていないで堂々と表でも勝負出来ている。ゲーム内でも聞いてもよいですし、多分、CDで聞いても素晴らしいと思う。
武蔵伝IIとか、アンリミテッドサガを思わせる、そしてサガフロ2にある軽やかさが混じったような感じかな。
ともかく聞いてみなはれ

総合的に

まだ完全に消化しきっていない(昇華しきっていない)という荒削りさは目立ちますが、斬新な作品でしょう。
斬新さゆえに、まだこなれていない感があります。だから、くそゲーとも言えますが、くそゲーという一言で切って捨てるわけにはいかない魅力がありますよ、シグマには。
特にストーリーとキャラと設定には泣けますよ。

ややこしくて面倒くさいシステムですが、あともう一皮むけたらものすごく洗練されたものになるような気がする。もう少し、テストプレイに時間を掛けて、全く前情報を知らない人の意見をもっと聞いていたら良かったんじゃないかねえ?という気がしてならないゲームです。

ああ、でも好きだシグマ・ハーモニクス。それだけは言える。これだけで終わらないでくれ……!!

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