なはははは……。
なんか、うん、見事なまでに爽快感がひとっつもなかったね♪
だいたい私ごときでクリア出来ちゃいけんよ(?)。
戦闘不能はケットの2回だけでした。地味ーにばんばん銃を撃って、大して避ける必要もなくクリア出来てしまう。ヴィンセント(の基礎体力が)強すぎでしょう。(EasyModeだと、慣れればキングダムハーツより簡単だと思います。慣れるまでが死ぬけど) ドキドキ感が全くない。ボスに対しても。
あとやっぱりテンポが悪い……ゲームとして盛り上がりに欠ける。
なんかですねえ、ヴィンの見せ場の部分が全部ムービーになっちゃってるんですよ。ムービーでやっているようなことと同じことはもちろん出来ないと思いますが、見せ方次第によって、ムービーに盛り上がりをかっさらわれることもなく出来たんじゃないかと。
物語は珍しくシビアなので好き(シャルアはさっさと退場しちゃうし、結局助からないし)。
人々に対する大量虐殺容赦ないし。
「これで死んだと思っていた人も生き返りました」という甘さがないのが評価の高い点。シャルアは好きでしたが、物語としては助からなくてよかったなぁ。
生き返っていたら、ものすごく幻滅していました。「設定こそ命」なこの物語が、デウスエクスマキナ出現で一気にひっくり返されてしまうから。(10-2のティーダ復活ってこれに近いよね……orz)
ヴァイスが世界向けの放送で「はーははは」と高笑いするのがどうも「変だなあ」と感じていました。恐怖をあおるならそんな笑い入れなければいいのに、と思いましたが、思いがけない正体で思わず納得。にゃるほど!
ならば高笑いも大ありだ(笑)。
しかもこのネットワークだのFragmentSystemだのはFM5でも同じでしたよ。
はやりか?
それとも情報は各所にバックアップを取っておけということか(TT)。
閑話休題。
まあ、そんなわけで、物語自体はACよりも高評価です。
映像だってそこそこ綺麗。だからこそ凄くもったいない作品になっちゃっています。ディープグラウンドなど、凄く凝っているマップだと思うのに、余裕がなくてほとんど見なかったし…(酔ってたから?)。
ただ、中途半端な擬古典ことばはやめてほしいです。「つながれし」なんて別に「つながれた」でいいじゃないの。普通の過去形で十分。
中途半端だから却って非常にかっちょわるい。ACの始まり方も「再び集いし」などとなっていましたが、「くわームリするんじゃないよう」とこう、全身がかゆいような感じがしました。
はてさて、完全無欠タイプのヒロインが多い中、ルクレツィアは欠点だらけというのがかなり好感もてました。
……理解出来ちゃう自分が嫌だ(笑)。
功名心、また研究をつきつめたいという野望が健全な程度にある。
(彼女の程度の野心は凄くいい具合だと思いますよ。野心というのが(ちょっとイメージ悪いけれど)一番分かりやすいので書いていますが、むしろAmbitionを大志と言い換えてもいい。)
だから突っ走ってしまう。
実際彼女には能力があったのが不幸のはじまり、それを追求するときに、少し慎重さが足りなかった。特に、目の前で大切な人が死んでいくという極限状態になっているため、その浅はかさに気づかない。
結局ヴィンを助けるために、手を出してはいけない領域まで手を出してしまう。その結果が彼女を追いつめてしまったわけですが。
なんちゅーか、彼女については、私の印象は「不器用で大ドジ(そこつ?)?」というものでした。はい。
彼女にはもう少し思想があって彼にカオスを埋め込んだのだとばかり思っていました。
つまり、生きていて欲しいというのと、星の終わりを看取って欲しいという願いと。でも深読みしすぎだったようです。
極限状態だったら助けることで他のことが見えていないのも仕方ないでしょう。
そういうお嬢さんだからかえってヴィンはほうっておけなかったんでしょうねえ。思いこみが激しいとよくおわかりでいらっしゃる。
50過ぎの親父になってもふんふんいいながら人助けするタイプの人ですもんね。
まあ、お笑い担当ヴィンセントと大ドジルクレツィアという組み合わせは最強ではあると思います……(笑)。
それにしてもルクレツィアの人間関係ってどういうものなんでしょう。ほとんどろくでもない関係のような気がします。
まずは謎その一。
ヴィンセントの父グリモア・ヴァレンタイン。グリモア!!(ばんばんばん)
妙なところで反応する私。絶対12に繋がってるに違いない!と思ったんですが……単に魔導書って言う意味だけかも。
グリモア博士と呼びつつかなり親しげ。指導教授と学生(あるいは部下)の禁断のなんとかってやつ(笑)?と思ったのは彼女は「あのひと」という呼び方をしているからなんですね。「あの人とおなじ目をしていた」というように。
彼女の研究の源はグリモア博士の研究であったと思われます。
大黒柱の死で(しっかし、こんな研究では儲けてなさそうだよなーグリモア博士も)、結局貧乏になったヴァレンタイン家は早くからヴィンが働きにでなくてはならず、やむを得ずタークスになったという苦労もののドラマを一瞬頭に描いたのですが、それにしてはヴィンセントと初めて出会ったときのルクレツィアが若すぎる。
結局グリモアが死んだ頃には既にヴィンセントはタークスだったんでしょう。彼がルクレツィアに出会って好意を抱いて殺されたのが27歳くらい(永遠の27歳)、ルクレツィアの姿は変わらないから、少なくともグリモア死亡時には20歳は超えていたのかな。
となると、グリモアが「息子に…」というくだりがなんだかそぐわないと思ったりしました。もう少し若い(というよりむしろ幼い)息子に向けられたもののよう。
謎その二、宝条さんとの関係。
まあ、ヴィンセントを選ばなかったのは彼の父、および彼自身への罪悪感によるものでしょう。だからヴィンを選べなかったんだと思う。なのにヤツは子犬のような目をして(多分)、慕ってくるからねぇ……。
そりゃあ困る、というわけで宝条さんを選ぶことでヴィンセントの好意をはねつけた、ってところでしょうかね。
それにしても宝条さんへの関心がなかったわけではないと思うのですよ。
彼女はそれなりに健康的に野心家だし、また、研究者という土俵で戦う以上、共謀者として宝条を認めていたのではないかと思われます。
どう考えたって、未来を考えると、単なるタークスでしかないヴィン君よりも、神羅のトップ科学者であった宝条とタッグを組んだほうが拓けているわけだし(笑)。
でも実際にヴィンが殺されてみて、罪悪感に隠されていた思いが一気に吹き出た……と、自分は解釈しています。
ヴィンは最後はちょっぴり幸せだったでしょうね。(それにしてもあの笑顔はびみょー)
五十のおじさんの純愛か……。冬ソナを上回る純愛っぷり!
あー(考察が)面白かった。ルクレツィアが単なる「女神様」だったらどうしようと思いましたが、個人的にはルクレツィアに大満足でした。
ただ、思うに、この話は対象年齢がかなり上の人なんじゃないかな。ルクレツィアとヴィンセントの想いというのは、さすがいい大人だけあって、ティファやエアリスがクラウドに向ける想いとは異なり、「迷い」が煙幕となっています。
特にルクレツィア。彼女は研究者としての野心と罪悪感、良心、そして誰かに向ける想い、の四つ巴の苦しみを味わっていたのだから、ストレートに出るはずがない。彼女の置かれた過酷な状況に対して、彼女はあまりに「普通過ぎ」ました。
たとえば、クラウドはイカレちゃったりしても、精神的な強さをちゃんと持っている青年ですよね。FF7の登場人物は、正常範囲を超えてそのような強さを持っている。
ルクレツィアはその異常さを、持っていない女性。したがって彼女は迷っても仕方がないというように感じました。とにかく共感出来ちゃうわけですよ、優柔不断な自分としては。
タークスのヴィンに対しては、「押しのたりねえ男だな!」と画面にツッコミを入れたくらい(よい子は言葉遣いをまねしちゃいけません)。
という彼ですから、彼も単純にまっすぐ突っ走る人ではありません。
普通の人よりはルクレツィア寄りで見てしまう自分がなんともかんとも(無限ループ)。身につまされた人は私だけではあるまい。
うん、野心は大事だ。大事。
(FF7に出てくる博士たちって倫理規定たたき込まれていないよね? 慎重さがたたき込まれていないというか、反証可能性について考えてなさそうとかいろいろ……ちょっと非現実的な研究者の設定かな。それとも(突っ走ってしまった)黄教授みたいなものか……?)
最後ヴィンは華々しく散ったと思ったんですが、助かっていたんですね。そのままルクレツィアと二人で星に還るという流れでもよかったかなあと思いましたが、そうすると今後ヴィンセント使えないですしね(笑)。ルクレツィアは、ほこらでクリスタル化してるんでしょうか。
にしても、カオス☆に帰ってしまわれたんですか?
ヴィンさん、これから普通の人間に戻れるんでしょうか?
いろいろ謎です。
セブンスヘブンが出てきたので幸せです。また養う口が増えたわけだ、ティファさん……。が、がんばれよ。
シェルクがいいキャラでした。ついでにリーブさんも渋くてものごっつ好みです。ケットがさらに好みです。
ケット一匹くれえええ……関西弁で話してちょうだい。
FF7キャラがあまり活躍しないと不満の方がたも多そうですが、もともとサブキャラという扱いだったし、「行けっ」と50男のヴィンさんに皆が叫んでくれた時点で個人的には十分でした。
音楽が地味だと感じた理由が分かりました。
音量が小さいんですよ!!
全部バックに隠れちゃう。
よくよく聞くと、ものすごく好みの音楽が流れている。CDが楽しみになってきました。
オメガの体内で急に流れてきたガクト君の歌にはびっくりしましたけどね(前奏が聞こえてきたとき、”うおう、浜渦さん新境地?!”とびっくりしました)。エンディングはそれなりに合っているかなと思いますが。
ああ、ゲーム性の出来がよかったなら……っ。もったいないもったいないもったいなーい。
ともったいないお化けとなって、とりあえずDC話は終わり。
でもガクトさんと出会えてないので、再プレイは決定です。