Imeruat @ Tokyo に行ってきました!

大変長らくご無沙汰しております。
ゲームといえばすっかりandroidの落ちゲーにはまる程度の一般人と化してしまいました。いわゆるコンシューマゲームは前に書いたとおり全く変化がありません。
しかし! 浜渦正志愛は健在でございます。Imeruatも当然追っています。というわけで、Sunny Parkのどれみ様と幸運にもご一緒出来た7月15日のImeruatのライブ「Departure to Black Ocean」についてもそもそっと綴ってみます。
大阪は着席ライブだったとのよし、年寄りにはちょっとうらやましい…でも東京のほうが熱気があったに違いない、……たぶん。

忘れぬうちに事務的連絡も。各種サイト設定のメールアドレスを変更しましたので、今後は届くと思います
もちろん以前からの私のメールアドレス(gmail.com)を直接ご存じの方はそのまま送ってくださって問題ありません。

あと、何となくスケートから足が洗えず、というより依然ずぶずぶとはまっているのですが、ジェフリー・バトルのトークショー当たって聞きに行ってきました。もしお入り用ならtwitterにのせた感想をこちらでもご紹介しようかと思います。(twitterは現在スパムがひどいため鍵かけ中です。)

場所は吉祥寺のスターパインズカフェ。今回はムックリをお土産にもらえるライブだったのですが、気づかず通り過ぎてしまい、取りに行く羽目に。まず物販に並んでパンフレットを買いました。
後で気がついたけど、Departure to Blcak Oceanになってたよ…とこんなところで誤字報告。
早速ムックリ開けて説明書を見つつ鳴らす。これがうまく鳴らない! やってるうちに手の皮がむけてきました(やりすぎです)。そののちに漸く音が鳴るときも出てくるようになりました。ムックリ、妙にはまります。びょんびょんびょんという音が出るのですが、いい音が出ると楽しい。帰宅してからもびよんびよんやってだいぶ音がコンスタントに出るようになりました。

もとい。

やや遅れてライブが開始しました。浜渦さんが全然見えませんでした……。まあいいけど。(いいのか、いやいいんです。)

さて、Imeruatはいちおう浜渦正志さんとMINAさんのユニット、ということになっていますが、サポートメンバーの人たちも仲よさそうです。特にギターの田部井さん……私は未だに、昨年七月のセフィロスの歌のポロリ情報が忘れられません(笑)。正確な言葉は覚えてないんですが。MCはMINAさんですが、まだちょっと不慣れな感じがかわいいです。そのまま天然をさらけ出して話を終わらせちゃう感じ。なれていない分、作為も感じず自然なユニットの関係性を見せてもらったようです。
MINAさんによるムックリ講座もありましたが、はてさて何人の人がならせたのか。次は自分、必ず鳴らします!!

シンセの鈴木さんはシグマから一緒に仕事を始めた!とおっしゃったのでおおおおっ!と個人的に盛り上がりました。
とにかく、バイオリンの桑野聖さんが巧い!泣きのバイオリンと勝手に名付けていますが、高い音に駆け上がるときに音程をほぼ外さない!これは凄い!!!

セットリストはこちらのファンサイトさんへどうぞ。
CDとライブの違いというと、やはり音のバランスでしょうか。もともと、浜渦さんは楽器の個性を生かすような音楽作りをしていて、融合して鳴らすというより声部のくっきりした骨組みを楽しむ音楽だと思っています。ライブだと、それがいっとう際立ちます。
バイオリン、シンセ、ピアノ、ドラム、ギター、そしてヴォーカル。よくあるポップミュージックのようにヴォーカルがメインを張るわけではなく、楽器の一つとして使われるさまが非常に面白い。

ちょっと脇にそれますが、フィギュアスケートって、ペアとシングルは歌詞のあるヴォーカル入りの歌は使ってはいけないんですよね。実際にヴォーカル入りの演技をエキシビションなどで見ると、声のパワーはとんでもないものを感じます。一つだけ大きな存在感となりうるもの、それはやはり、楽器が人間という「我々自身のもの」であるからでしょう。
一方、Imeruatはすべて同等です。バイオリンが金切り声をあげたかというと、声がするりと入り込んでくる。歌詞にあまり強烈な主張を持たない、英語かアイヌ語がメインである、ということも、Imeruatの立ち位置を示していると思います。
声についていえば、MINAさんは三つの声を使い分けています。キュートな、すこしハスキーさを含んだ地声に近い声。それに少し力を加えた声。あとはアイヌの歌を歌うときの腹の力のこもった声。
場数が違うせいかもしれませんが、アイヌの伝統歌アレンジを歌うときの声がいいと個人的に思います。ただしほかの声も、初めて聞いたときに比べるとだいぶコントロールが効いてきたように思います。最初の曲はさすがに緊張していてちょっと声に伸びがなかったようにも聞こえましたが、すぐに調整してきました。さすが!

曲はファーストアルバムに入っているもの+ガプラ樹林、貧乏神が!の「市子のテーマ」、ミュージックガンガン(ゲーム)からちょっとかわいくて勢いのあるshooting star、そしてまだタイトル不明の新曲(!!)。これはかなりがちゃがちゃした「破壊感」に満ちた曲です。CDになるとバランスよくいろんな音が聞こえてくるでしょうが、ライブでの勢いのあるはちゃめちゃ感も楽しい。
だいたい〆にくるパターンの閃光+Choose to Fight(海外ライブでの映像はこちら)でした。アンコールでSprings,Battagi(二度目),Black Ocean(二度目)。
yaysama(アイヌの即興歌の意味)ではギターの田部井さんが浜渦さんの隣に座ってピアノ連弾と相成りました。MINAさんが即興で歌詞を考えるそうですが、「きょうは スターパインズカフェに来てくれてありがと♪ あし だいじょーぶ?」とかわいい歌詞になっていました。かわいいは正義!

CDの曲がほとんどとはいえ、アレンジされたものや、印象の異なるものも多く、たとえばBlack Oceanは強いアタッカーの部分がもっと破壊的、破滅的な音になっていました。Giantなどもかなりアレンジが加わっていたように思います。特に二度目のBlack Oceanはもっとアドリブ感が強いものになっていました。

そんなこんなでなんだかんだでなんと三時間弱!九時過ぎにライブは終わりました。残念ながらここでどれみ様たちとはお別れ。私はサイン列待ちに並びました。
このとき、私はサインを入れてもらおうとあるものを持ってきていました……
ベンヤミン・ヌスさんのCDです!
実は日本未発売と聞いて、ドイツアマゾンから取り寄せたのですが、なんとその数日後MONOMUSIKより、ヌスさんの来日公演でCDを発売すると言うではありませんか!送料のほうがCD代金よりも高かったというオチがついてたのに……っ!!
なので、せめて数日間(それも今日で終わりです)優越感にひたりたいと、ヌスさんのCDにサインをいれてもらうことにしました。
案の定驚く浜渦さんとMINAさん。
「これどうしたの?!」
「ドイツのアマゾンで買いました……未発売だというものですから……でも……(←恨み節(笑))も、もちろん皆さんに聞いていただける機会があればそれは嬉しいんですけど!」
などとしどろもどろしながらサインをいただきました。ヌスさんCD
あとは、FRFに行ったくせに時間切れでもらえなかったお二人のサインをBlack Oceanに入れてもらい、「これからも好き勝手に音楽作ってください」とあとから考えると非常に失礼かもしれないことを申し上げてしまいつつ、終わりました。楽しかったです。
ハマウズのファンはまじめな人が多い、ということをキワのライブでもおっしゃっていましたが、客層はやっぱりそうですね。ちょっと落ち着いた人たち(でも若いよ!)が多い。けど、腹の底に深い情念を持ってそうなタイプだとお見受けしました。ヒューヒュー隊が出てきたときにはスケートで鍛えた根性でヒューヒューやってました(笑)。

ところで、昨今の浜渦さんやMINAさんの話を聞いていると、アイヌという民族性をことさらに訴えるのではなく、アイヌ音楽をフラットに素材として愛でるという立場が見えてきます。この記事を書くに当たって昔書いたことをちらほら見直していたんですが、まさにドンピシャで記事の中でバルトークのネタがありました。
バルトークと似ている、と浜渦さんご自身も言われたとおっしゃっていたし、私もバルトークに似ていると思っていたことを、まさにそこに書いていました。

私自身、民族の歌を、単にモダンアレンジするもの、というのでは面白くないことが多いです。やはり借り物であり、浅薄にすら聞こえることもある。むしろ伝統歌そのままのほうが魅力を感じることも多いです。

しかし、Imeruatはアイヌの音を、「新しい酒を古い革袋に入れる」といった扱いをします。
この精神はラヴェルにも通じますね。ラヴェルも、古典様式に則ったなかで色彩感覚豊かで透明な不協和音をつらねた、明確な線をもつ音楽を作ります。
(これを書いていて、改めてラヴェルとバルトークの共通性に思い至りました。どちらも、過去の遺産を自らのものとすべく作り直している作曲家なんですね。)

10年の構想をへてたどり着いたというIMERUAT。どのような音楽を採取し、換骨奪胎し、「破壊」して普遍性を持ちうるのか……これからも、とても楽しみです。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.