ワンダと巨像のすすめ

プレイ日記は途中までしか書いていませんが、映画化で絶望するくらいですから勿論最後までプレイしました。

ゲームのジャンルや、3D酔いという大きな難点が(私にとって)あるにも関わらず、ワンダと巨像は素晴らしい!と感動したゲームのひとつです。
ICOも素晴らしい作品でしたが、なんとなーく、私にとってワンダのほうが思い入れが強いです。
ICOは小説を読むんだ!という第一目的があって始めたものだから……もっと純粋に、ICOというゲームに出会いたかったな、と小説を読んだ後で思いました(笑)。

ワンダと巨像は、ファンタジックで、リアルです。
ファンタジーとしてシンプルな物語を持ち、懐かしいけれど見たことのない文明の中で、ひたすら馬を駆り巨大な敵を倒すあり得ない状況のファンタジックなゲームです。

同時に、ゲームのコントローラをつかむ動作は、容易に「巨像をつかむ」という動作に翻訳され(R1ボタンで「つかむ」動作を行うので、ちょうどコントローラを握り閉めるかたちになる)、相棒の馬の名を呼べば馬は戻ってき、またボタンを押すと、中のアバター(つまり主人公ワンダ)が、質感を感じさせるように馬の腹を軽くたたいてやる。必要のない動作までも入っています。
リアル、というと語弊があるかもしれません。しかし、リアルを錯覚させる感情や感覚を簡単に心の中でシミュレート出来、そのリアルさに驚いてしまうほど。馬は愛馬となり、割と慣れ親しんだ展開においても感情を動かすパワーを持つことになります。

Wiiにあまり食指が動かないのは、「どうして現実=リアルで容易に可能なことをテレビの中でやるのか」という「リアルさの劣化」がどーも気になっているせいですが、一方で「ワンダと巨像」は、全く経験しえない状況でのリアルさを上手に再現出来ているところに感嘆するのです。ゲームでなければ体験出来なかった世界で感じられる、なじみのある感情や感覚。
映画などのようにただ圧倒される没入感ではなく。
働きかけ、働きかけられること、相互作用性が際だった、まさに「ゲームとしてのメディア」の可能性を引き出したものでした。

私は「メディアの特色を生かした作品」というのが特に好みなので、……おすすめしますよ、ワンダと巨像。(3D酔いがなければ)
ゲームであるべき理由がちらりと分かる……かもしれません。また、ゲームだけが可能な荒野があることも。

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