FINAL FANTASY XII。
世界待望のアレ。
序盤も序盤、いまだバッシュがゲストキャラ扱いでしかないほど進んでいませんが、序盤プレイからいくつか。
とにかく「すげーゲーム」ということは決定。文句なく、傑作。好きか嫌いかの次元を超えて、凄い。
FF10が物語を語るメソッドとしてのゲームの完成形だとしたら、FF12は「ゲームであることの存在意義」に賭けたゲームの一種の到達点だと思います。
とりあえず前作のFF10と比較しつつ印象を述べてみます。
ドラマのつかみ
これはFF10のほうがいいですねぇ。
FF10では典型的巻き込まれ型ゲームなので、否応なしに物語に連れ去られてしまうから、どうしようもなくプレイヤー側も「え、え?」と物語に注目をせざるを得ない。
12はそこまで到るのに多少時間がかかっていそうな気がする。(FFTも割とそうだったよねー。ディリータの妹事件が起こるまでちょっと長たらしかった)だから、多少印象が散漫。
また主人公の特徴は10のほうが際だっていますよね。鬱屈したものを抱え込みながらも明朗な少年を、登場直後に(自分の大嫌いな)父という明快なアイコンで表すことが出来たから。
それに比べると、ヴァンは割と印象が淡泊ですよね。
ただねえ、12の主人公が割と「人格的に透明」というのは、この後に語るゲームシステムに大いに影響するんですよ。
ゲームシステム
これが凄い。
……FF7ACで言っていた「少し曖昧な部分を残して、視聴者に自ら解釈を行ってもらう」という積極的な姿勢がここで必要とされます。
つまり、このゲームでこそ、本当の意味でそのポリシーを体現出来ていると思います。
FF10も含め、それまでのシステムは強制的に突然バトルシーンに移ってしまうわけですが、今回は「自分から攻める」「攻めるべき種族を選ぶ」と、自ら関わっていく、という自己関連度の高さ、すなわちバトルでの自由度が抜群です。
さらに先ほど述べたように、少し印象の薄いヴァンというキャラを使うことで、キャラを通して操作するという印象がさらに薄くなります。なんといえばいいのかな、プレイヤーが成り代われる、といった感じかな。
しかも割合スリリングだし。簡単すぎるという方はガンビット外して戦ってみればよいのでは?
……え? 戦略ですか?
私は物理攻撃しかしていませんよ。(今は地下道でミミックと戦っています。)
……魔法屋、行き損ねたんですよう(泣)。
グラフィック
えー、文句ありません。
大聖堂のような作品、というの、実感出来る!
なんて広いの?! なんて天井が高いの?!
本当に、自由に冒険している気分になります。
そのせいで、やらされている感がほとんどないんですよ。ゲームに対して積極的に楽しもうというタイプの人にはぴったり。
ただ、単純に○ボタン連打で進んでいこう、という人にとってはドラマと同じく散漫な印象になってしまうゲームだと思います。
あと、人物の造形が素晴らしい。
あのベイグラの驚異もののローポリ技術の第四開発部だけのことがある。
ポリゴン、FF10の半分ですって!!
ほんとうだったらもっとぼそぼその像になるはずなのに、丁寧なテクスチャ(面の色塗り)でちっともそうは思わない。ドット職人、グッジョブ!!
さらに瞠目したのは「絵」としての表現が残っていること。筆で丹念に描かれた像が自然に動いているという感じ。FF10はその点むしろ人形的でしたよね。
音楽
基本的にはいいんですが……うーん、ちょっと期待が大きすぎたかな。
ベイグラントストーリーで見せた、緩急自在の崎元さんの音楽のすごさ(鳴らすときは思い切り鳴らす、声を潜めるときは思い切って音楽を消す)を知っているので、それに比べるとちょっとべたべたに音楽がつきすぎているかもしれません。
ま、総括して言うと、「非常にゲームらしいゲーム」だと思います。
いやー、話そっちのけでバトルが楽しい。「避けて通っていこう」と言われつつ戦闘しかけてばかりでっせ。
あとお気に入りはやっぱりバルフレア兄貴。かっこいいよ、兄貴!!