終了。
号泣。
別の意味で。
ほ、本編短すぎやしませんかっ?!(ぼろ泣きっ)
ニブルヘイム事件があっという間に来たので「こ、これはやばい……!!」と思っていたら、そのままあれよあれよという間にラストダンジョン。
えええ、そんなのありですか(驚)!
叙事詩LOVELESSはアレだし、ガクトさんフィーチャーしまくりだし、でもお話のほうは全く「えええええ?!」がない展開で……。
と、とりあえずいつものパターンで感想。
毒舌が入っていますが、基本的には「面白い」ゲームです。素直に感動ものを楽しめる人ならば、これ以上ないゲームになることでしょう。
ストーリーについて
可もなく不可も無し。「さあ、泣け!」仕様にはなっています。
予測の範囲内の話というかなんというか……そりゃあ、新しい設定(庶子とかね)は分からなかったけど、それにしても驚きのない話でした。結末が決まっていたら、大風呂敷を広げられないのかなぁ……。伏線があまりに広がらなすぎる……。
あと、FF7のすべての悲劇の端緒はもしかしたらものすごいちっこい復讐からなんでないの?!という疑惑が……。いや、実際、そうなんだろうけど……。
規模の小さいお話でした。短くなるのも分かる。分かりすぎるほど分かる。広がりがない。
ただ最後は「さあ、泣け!」仕様ですので、その手のカタルシスが欲しい方には適当かと。私なんぞのようなひねくれもんには効きませんでしたが。
私は別の意味で泣けそうでしたがね!
キャラクターについて
ザックスっていい奴~! 以上!
……ああ、そういえばクラウド、顔が幼くて可愛かったです。
でも、彼等は親友とは言い難い関係だったのでは……?(禁句?!)
ザックスならクラウドじゃなかろうと助けたと思うし(つまりそれくらいいい人だ)、たまたま最期に居合わせたからザックスはクラウドに託したわけで。
もっとも、クラウドが自分をザックスと思いこんでいたのはザックスから「お前は俺の生きた証」と言われてしまったから必死でそう引き受けてきたのなら、クラウドは健気だなあ、とも思わないこともないのでした。
そうそう、セフィロスが非常に人間くさくなりました。
もう一度言っておきます。ザックス、いい奴です。いい男です。
だから、セフィロスのほうがザックスよりもよりゆがみがあって人間的でした。
あー、でもザックスイイ奴。
バトルシステムについて
えーと……ブリザガ最強!
もちろん追撃に失敗するとそのまま不発ですが、うまくすればHPをがっつり取ってくれる!
セフィロスもブリザガで、ラストボスもブリザガで一掃。な、なんだかなぁ……。
魔法については、ファイア、サンダー、ブリザドでそれぞれ性質があります。ファイアは散弾的、サンダーは追撃弾的、ブリザドは大砲的。
基本的にはアクションで、ぐるぐる回って相手を叩くか魔法で撃つか、のどちらかが攻撃法です。しかし、DMWというバトル中常時映し出されるスロットによって、リミット技、あるいは有利なステータス異常、MPやHPの回復が何度も、ランダムに入ってくるので(こちらでは調節できない)、それがバトルを起伏に富んだものにしている……んだと思いたい。
ただしブリザガ最強伝説が私の中で出来てしまったように(もちろんブリザガを吸収してしまうモンスターは別)、もしかしたら戦術が確立してしまうとパタン化されて、面白くないと思う人もいるかもしれません。
それにしてもアスピルはよくMPを吸います。気持ちいいくらいMPを吸うので、そこのところが大歓迎でした。ほら、なんというかたいていの場合、限度というものがあるじゃないですか。今回は吸っても吸っても汲めども汲めども尽きせぬ井戸のようなすいっぷり。
ラスボスからも吸えるので、魔法大活躍。
ブリザガが。
ソルジャーではなくソーサラーと化していたザックス君でした。
ゲームのシステムについて
本筋+ミッション形式。ミッションを多くすることによって規模を大きくしようとしているもの。面白いな、と思ったのは、DMWが回っている時に「リーチ」がかかると、そのリーチに2つ並んだ人とザックスとの関わりの断片をちらちらと見せています。それによって、内容を詳細化しようとしているところ。
ただし、セフィロス以降はなんというか「安全を確保する」「クラウドを確保する」という内容の戦いが多く(つまり話に広がりがもう出ない)、さらに、ラスボスのことを思い出したらすぐにラストダンジョン。あああああ。
つまり、私は本筋でもう少し大きくして欲しかったんですってば!
音楽について
実はあまり……。なんというジャンルなんでしょう。ロック? いやーちょっと違うかな。
でも何となく、寂寥感、無機質感のあるものなので、CCには合っているのかもしれません。パーカッションがばこばこなるのはザックスのリズム感と合っていますしね。
ただし、バイオリンを使った曲(アンジール戦の前のやつは何度も聞かされた……)はアレだなぁと思いました。アレって便利な言葉。
コンピレーションオブFF7から
FF7をかたちづくる、もう少し厳密に言えば定義するひとつの作品ではあると思います。FF7に制約をかけるというか。
セフィロスが人間的であったりするのは、もしかしたらFF7の広がりに対して少々抑制を掛けてしまうかもしれないなあ……とも思います。つまり、FF7の壮大さは、恐らくなぞめいた部分があったからこそ大きく見えていたのかもしれませんが、セフィロスの人間化(追記)、つまりシンボルから人間へというある種の矮小化によって、少し規模が狭まって見えるかもしれません。
追記:矮小化については詳しくはこの記事の私のコメント欄を参照してくださいー。
でもセフィロスファン(とクラウドファン)はちょっと見ないほうがよいかも。私のセフィロス観はあんまりにも……。
LOVELESS
ジェネシス、というよりガクトが愛読する叙事詩LOVELESSですが、……あの……なんといいますか……歯が浮きませんか?
通して読んでみないと分かりませんけど。セリフ集を期待。ってもうアルティマニア出てるんだっけ。
結論
一般的に「おすすめできます」。
が。
欲を言えば、面白いけど予想の範囲内。これが今回の結論です。
最初は慣れるまでちょっと困ったし、慣れたらある程度やり方が決まってしまう……というところはありますが、有利なランダム要因が入ってくることで起伏が出てくるのでシステムはそこそこには面白いです。
に、しても、話が……(TT)。
FF8ファンのためのオマケ
もしかしたら作り手側の確信犯かもしれない、と思ったのですが……。
ガクトが演じるジェネシス(コピー)が扱う武器が「ガンブレード」。
彼のもたらす魔法が「アポカリプス」。
彼は「失敗作だった」。でも、メインキャラに躍り出る。
片翼。失敗作の黒、成功の白。
そして、LOVELESSという物語のタイトル。
………。えー、ものすごく妄想してしまいました。いろいろと。ね。
つまり、
- アンジール→ジェネシス
- サイファー→スコール
- リク→ソラ
という「継承」。
もしジェネシスとスコールを対応づけることが出来るなら、繰り返される世界によって世界は劣化し、そのほころびから、ティーダが旧世界を打ち破った……なーんて。
なにせジェネシス=創世記だし。スコールは歪んだ世界を作っちゃうわけだし。
しかし、これは作り手の掌の上というような気もしないこともない。
CCはやってませんが、セフィロスって7の時点でとっても卑小で人間のちっちぇー俗物でマザコンの子供だと思ってました(笑)。自分の地盤もしっかりしてないから、やることがなくなったら星を滅ぼそうだなんて莫迦なこと考えるあたりは、ただの青春野郎でしょう。スコールよりも青い(笑)。
た、確かに小さい人間ですよね<セフィロス。某ミステリ作家の犯人像でよく見られるタイプ(笑)。
ただ、私は7のセフィロスを張りぼて的に感じていて、あまり「人格(キャラ)」としてはとらえておらず、きっかけ、あるいはシンボルくらいの認識しかありませんでした。なんとなく、ジェノバの生物的特性につられた感があります。リユニオンという凝集性とか破壊衝動とかという。
セフィロスはなんだかんだと言葉をしゃべっているけど(理由付けはしているけれど)、単にそれらはその生物的特性に因るものじゃないかと、……というのは今考えました(笑)。
とにかく、あまりキャラとして認識していませんでした。
で、セフィロスをきっかけとして星を巡るシステムが見えてきて、7の話はジェノバ対星(セトラ)の戦いですよ、といった認識でした。
まあ、白状すれば、それくらい7には、いれこまずにプレイしていたわけですが(汗)。(キャラ萌え出来ない体質が効いたのかも)
ACでも、セフィロスは、クラウドにとって乗り越えるべきハードル(つらい記憶の象徴)として存在しても、キャラとして存在する必要が全くないですよね……。
しかし、CCではもう少し多面性が表現されてセフィロスが人間としてふくらみが出てきたことで、少なくとも私にとってはセフィロスが「ジェノバのシンボル」から「キャラ」に変貌を遂げてしまいました。
そのために、以前なら「ジェノバ対星(の代行者)」という戦いだった様相が「小さい人間セフィロス対ヘタレな俺」(笑)という話になってしまいそうで、そのせいで話がぐーんと小さくなってしまったように感じてしまって……。上での矮小化というのはそういった意味での矮小化です。
どなたかが「FF7は世界を巻き込んだ私闘」と書かれていたので、もしかしたら今の認識のほうが正しいのかもしれませんが。
それにしても、私がいかにキャラとしてのセフィロスをほんとにどーでもいい存在と認識していたことか、が分かりましたねぇ……。
あれ、これってなんか間違ったコメント返しのような感じがしてきました。もしかしたら、私は日月様よりもセフィロスに対して容赦がない見方をしていたのかも、ということを伝えればよかっただけなんじゃ?
*ちなみに、「ものすごくちっこい復讐」とはCCで初出の小さい話です。セフィロスの復讐よりももっと小さい話……。